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2018.12.19 Wednesday

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    アラビアンナイト演出ノート3 増殖するアラビアンナイト・ワールド

    2017.01.14 Saturday

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      倉迫です。

      深夜ですが、張り切って更新します。

       

      アラブで生まれた「アルフ・ライラ・ワ・ライラ(千夜一夜物語)」が

      18世紀にヨーロッパで「アラビアンナイト」として紹介され、

      大人気を博したというのは以前の演出ノートにも書きましたが、

      当然アラビア語ではなく、英語やフランス語で出版されました。

      つまり、翻訳者がいたということですが、「アラビアンナイト」の場合、

      翻訳者の個性によって全然違うテイストの物語集になりました。

      児童文学として教訓的な部分を強調した「アラビアンナイト」もあれば、

      男女の絡みをオーバーに書いた性愛小説風の「アラビアンナイト」もあります。

       

      最もエロティックな描写が多い(というか書き足しすぎ)のバートン版の

      表紙なんてこんなんです。バーン。

      遠慮気味に小さくしておきましたが、電車の中でカバーをつけずに読むには、

      かなりの勇気が必要そうなのは、わかると思います。

       

      そして、日本の「アラビアンナイト」は、このように、

      英語やフランス語のものを翻訳したものがほとんどで、

      そこでさらに日本語の翻訳者の個性によって、

      タイトルが同じでも全然違う作品が多数生まれることになりました。

      しかも、もともと長いお話が多かったのを児童向けに短くしたり、

      結末を柔らかいものに変えたり、残酷さを省いたりしたものが、

      児童文学としての「アラビアンナイト」として主流になっていきました。

      だから、正直、全然違う、真逆の話になってることもあります。

       

      アラビア語の原作から直接、日本語に翻訳された「アラビアンナイト」としては、

      平凡社の東洋文庫のものが有名です。

       

       

      ただ、このシリーズ、読むのにかなりの忍耐力がいりました。

      読みにくいし、話が長い。

      翻訳が古い(なにせ出版が1966年!僕の生まれる前)のは

      さておくとしても、これを読むと、

      「アルフ・ライラ・ワ・ライラ」は子ども向きに書かれたものではないことが

      よくわかります。

       

      しかし、このように国によって時代によって自在に改変されることが、

      アラビアンナイトの最大の特徴であり、そのお蔭でここまで世界中に広がり、

      時代を超えて語り継がれているのかもしれません。

       

      ちなみに、ディズニーの『アラジン』が好きという人が多いと思いますが、

      19世紀末のイギリスの画家ウォルター・クレインが書いた挿絵のアラジンが、

      これ。はい、ドン。

       

       

      中国人です。ウォルター・クレインが浮世絵の影響を受けていたので、

      日本人ぽさもありますが、中国人です。

      「アラジンと魔法のランプ」の舞台はアラブではなく、中国です。

      そして、アラジンと敵対する悪い魔法使いは、はい、この人です。ドン。

       

       

      彼は、アフリカの西、マグリブと呼ばれる地方の出身です。

      そして原作のアラジンには魔法の絨毯は出てきません。

      あれはアラビアンナイトの中の別のお話で出てきます。

      つまり、ディズニーの『アラジン』は、

      アラビアンナイトという作品に対して欧米人が持つ

      平均的なエキゾチックなイメージを集約した作品と言えるかもしれません。

      だから、広く受け入れられたとも言えます。

       

      日本でも人気マンガの『MAGI』も

      アラビアンナイトの世界を下敷きにした作品と言えます。

       

       

      8世紀に生まれたアラビアンナイト・ワールドが今でも

      どんどん広がり続けていると考えると、

      「アルフ・ライラ・ワ・ライラ」が

      人類規模の文化遺産であることは間違いありません。

       

      今夜は『音楽劇 アラビアンナイト』で取り上げた原作の物語について

      お話ししようと思ったのですが、長くなってしまいましたので、

      また明日の夜にまわしたいと思います。

      それでは、また明日の夜に。

       

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