アラビアンナイト演出ノート8 子どもたちに向けた作品を創る理由

2017.01.19 Thursday

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    倉迫です。

    お蔭さまで最終日、22(日)15時の回の前売りチケットの販売は終了しました。

    21(土)17時の回の前売りも残り少なくなってきています。

    20(金)16時と21(土)13時が、良席をお求めの方にはおすすめです。

     

    さて、僕は子どもたちに向けた作品を多く上演しているからか、

    「子どもがお好きなんですね」と、よく言われます。ありがたいことです。

    でも、僕が子どもたちに向けた作品も創るようになったのは、

    子どもを好きだったからではありません。というと、誤解されそうですね。

    もう少し、別の理由からだと言うのを、今日は書いてみます。

     

    よみしばい『アラジンと魔法のランプ』(C)Hironobu Hosokawa

     

    今でこそだいぶ慣れましたが、もともと僕は子どもが苦手でした。

    なぜかと言うと、僕が「子どもが苦手な子ども」だったからです。

    僕はクラスメイトの「子どもっぽさ」や「子ども同士のノリ」みたいなものが

    苦手な子どもでした。マセガキ+転校を重ねたことも関係していたと思います。

    そして、「子どもが苦手な子ども」のまま、僕は大人になりました。

     

    そんな自分が30歳を過ぎて、

    子どもたちに向けた演劇を創るようになった理由は二つ、あります。

     

    一つは、「子どもが苦手な子ども」だった自分が、

    子ども時代の楽しかった場所は劇場だったからです。

    単なる市民会館や県民文化ホールみたいな場所での上演だったと思いますが、

    例えば『大どろぼうホッツェンプロッツ』の人形劇を観に行った経験は、

    作品の内容は忘れても、今でも「楽しかったな」という記憶は残っています。

    もちろん年に何度も演劇を観に行けてたはずはありません。

    「子ども劇場」に入会してたとかではないから、おそらく年に一回か二回。

    それでも30を超えて、自分はなんでこんなに劇場という場所に惹かれるのかを

    考えた時、答えはそこにありました。

    子どもの時にとても楽しい思いをした場所だから。

     

    よみしばい『星の王子さま』ワークショップ

     

    もう一つの理由は、「子どもが苦手な子ども」だった僕ですが、

    いい年になったからか、自然と「子どもたちに優しい社会」を望むようになりました。

    自分のこの変化は、だいぶ予想外だったんですが、受け入れることにしました。

    たぶん、そういう社会は大人にも優しいだろうから。

     

    でも、苦手は苦手なんです。嫌いではないですよ。

    どう接していいのかわからない。ので苦手。

    だから「子どもたちに優しくしたいなあ」と思いつつも、

    どうしていいのかわからないので

    「子どもたちに優しくありたいなあ」と漠然と思うようになりました。

    わかっていただけますでしょうか、この違い。「したい」と「ありたい」。

     

    子どもたちを見ると思わず微笑んでしまうとか、

    泣いている子どもを見ると「あーどうしよう」となるとか、

    そういう視線をせめて注げるようになりたいと思ったのです。

    で、優しくありたいを目指した時、

    子どもたちに向けた創作を考えるようになりました。

     

    だから、「子どもとおとなにいっしょに楽しむ舞台」には、

    僕のようなかつて「子どもが苦手だった子ども」だった大人たちが

    来てくれないかなあと思ったりもします。

    僕は子どもたちに向けた作品を創ることで、

    自分の子ども時代と出会い直し、

    どんな大人として生きていくのかを考え続けています。

     

    劇場は、そんなこともできる場所なんです。

     

     

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    2017.04.13 Thursday

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