本日20時開演。カフェでは展覧会もやってます。
2015.10.30 Friday
火曜日から会場入りして、元音楽室のドレミホールを、
銀河ステーションへとしつらえました。
演劇の上演を目的にした場所ではないため、
舞台も客席も照明もテント芝居のような仮設感満載です。
ですが、この場所にお客様に集まっていただいたときに、
ここは「劇場」へと変わります。
観客の皆様と一緒に、演劇を楽しむ場所になれば、
こんなにうれしいことはありません。
いよいよ本日20時開演です。
おかげさまで前売り予約は完売しましたが、
仕込みの段階で客席を増やせましたので、当日券は出せます。
今日よりも明日の14時と18時、
特に18時の回が比較的余裕があるようです。
ドレミホールはB棟の2Fにあるんですが、
A棟1Fのカフェスペースでは、
イラストレーター・絵本作家の松村真依子さんが
宮沢賢治の世界を描いた作品を展示しています。
『想稿・銀河鉄道の夜』の初演を観て、
描いてくださったのがこちらです。
これ、かなり忠実に再現されています。
他にも原作の「銀河鉄道の夜」や
以前、Ortも上演したことのある「ポラーノの広場」の世界が、
素敵なイラストになっています。
ちょっとしたギャラリーカフェのようにくつろげる空間になっていますので、
開演前や終演後のお時間に覗いてみてください。
エンタメ情報サイトの「SPICE」で紹介していただきました。
http://spice.eplus.jp/articles/20496
今週は立川、来週は札幌、皆様、どうぞよろしくお願いします。
創造舎がオープンするときは銀河鉄道が走る
2015.10.27 Tuesday
Ortはさまざまな『銀河鉄道の夜』を上演してきています。
Ortの三度目の銀河鉄道の夜の上演は2004年8月20日の、
にしすがも創造舎オープンパーティーのときでした。
そのときの当日パンフに僕はこんな文章を寄せていました。
++++++
にしすがも創造舎のオープン、おめでとうございます!私たち創作者にとっても待ちに待った開かれた東京のアーツセンターの登場です。様々なアーティストがここに集い、ここで創り、ここから発信することによって、東京そして日本の芸術文化が活性化することを願ってやみません。
その晴れあるオープニングパーティーで祝辞代わりに作品を上演できることを嬉しく思います。今回上演する『銀河鉄道の夜』のリーディングは2001年の七夕に"Fiesta!"という僕ら自身がプロデュースした演劇祭で上演したものです。その作品を全面的に改訂して3年ぶりに一昨日、目白庭園赤鳥庵というところで上演を行いました。それから中一日あいての今日の上演ですが、片や日本庭園の中の和室での上演、片や元中学校の教室での上演ということで、全く別バージョンに作り変えてみました。
ここで中学時代をすごした人々に思いをこめて、そしてここで育つ芸術文化の芽への期待をこめて、『銀河鉄道の夜 〜よみがえる廃校バージョン〜』、お楽しみください!
++++++
このときは確か1−1教室で上演したような気がします。
それから11年が過ぎた2015年10月30日、
たちかわ創造舎のオープニング公演として、
『想稿・銀河鉄道の夜』を上演します。
そうなったのはまったくの偶然なんですが、
創造舎のオープニングには『銀河鉄道の夜』が上演されるというわけです。
そして僕は今、今回の当日パンフレットにはどんな言葉を載せようか、考えています。
写真は出演者の八代進一のブログから拝借。
どんな銀河鉄道が走るのか、乞うご期待!
10/21 『想稿・銀河鉄道の夜』立川・札幌チケット情報
2015.10.22 Thursday
『想稿・銀河鉄道の夜』立川公演、10/30(金)20:00の回は、
定員に達したためチケット予約受付は終了しました。
当日券は19:20より受付にて若干枚発売します。
10/31(土)の14:00/18:00の回はまだ予約できますが、
急速に埋まりつつあります。
今回は元音楽室というシチュエーションのため、
各回60名の予約受付となっております。
確実にご覧になりたいお客様は早めのご予約をお願いします。
一方、札幌公演はというと、まだまだ各回とも余裕ございます。
11/6(金)19:30 7(土)11:00/16:00 8(日)16:00
という土日がちょっと変則的な開演時間になっているのは、
今回公演がTGR(シアター・ゴー・ラウンド)という演劇祭への
参加公演となっているため、観劇のハシゴや、
札幌の演劇関係者の方が見やすい開演時間に、
劇場と相談して決めました。
稽古は順調に進んでいっています。
出演者の八代進一のブログや、藤谷みきのブログも合わせてご覧ください。
銀河ステーションは「立川」と「札幌」に現れる
2015.10.21 Wednesday
気が付いた方もいるかもしれませんが、
実は札幌公演と東京公演ではチラシの表面が違います。
こちらが札幌
こちらが東京
モデルの男の子は同じですが、だいぶ雰囲気違いますよね。
そして札幌用のチラシには札幌の演劇人の方からのコメントが載っています。
せっかくなので、このブログで特別公開。
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Ortの『わが友ヒットラー』を観た時は、
完成度の高さや美術の「趣味の良さ」に圧倒されつつも、
テキストへの醒めた向き合い方、
劇に流れる時間の成立のさせ方に、深く共感を覚えた。
それは演劇の構造への信頼である。
人が、人前で何かを象る。「言葉」を発する(「想い」ではなく!)。
観客はその「表層」にいつのまにか導かれ、観客個々の「深層」にたどり着く。
その研ぎ澄まし方に、倉迫さんの穏やかそうな風貌に隠された暴力性を感じた。
そして、そのゾクゾクする感覚はたまらない魅力だ。
『わが友ヒットラー』が研ぎ澄ますことで
人間の皮を一枚一枚めくっていくような作品だったのに対し、
『想稿・銀河鉄道の夜』は反転、研ぎ澄ますことで
夢から夢に劇が展開し広がっていく作品だった。
シアターZOOに、銀河を囲う膨大で空虚な宇宙が現れた。
どこか冷んやりとした、とても寂しい宇宙が。
この秋、もう一度旅に出れる。今度こそほんとうのことを見つけたいと思う。
弦巻啓太(弦巻楽団/札幌座)
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Theatre Ortを初めて観たのは2013年『わが友ヒットラー』
「なんだこれ…」観終わった後、しばらく席から立ち上がる事ができませんでした。
確かな演技と演出によって創り込まれた心地よい緊張感。
それはまさに私が欲しかった快感で、私は一瞬にして虜になってしまったのでした。
翌年観た『想稿・銀河鉄道の夜』は、
これまたため息がでる程キレイな空間演出に彩られた大人の賢治ワールド。
宮澤賢治の言葉がとてもとても不思議な音で響いて素敵で、うっとりと。ああ、気持ちよい。
Theatre Ortの舞台は気持ちよいんです。
懐ふかあく、観る側を完璧な演劇の世界に誘ってくれる。安心して身をまかせられる。
そんな舞台に一体どれだけ出会える事でしょうか。
見逃してしまっては人生損したも同然。とまで思えてしまうのです。
すごいなあ。本当にすごいなあ。悔しいなあ。出会えてよかったなあ。
これはもう確実に恋ですね。
小島達子(イレブンナイン)
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実はお二人からコメントをいただいて読んだ時に、
「ああ、札幌に行くようにして良かったなあ」と心から思いました。
遠く離れた東京から見ていても、
お二人は間違いなく札幌の演劇界のこれからを担うキーパーソン。
その二人に何か強いインパクトを与えることができていたのだとしたら、
こんなにうれしい事はありません。
そしてもうひとかた、札幌の演劇人の方が、
『想稿・銀河鉄道の夜』札幌公演を彩ってくれます。
そのかたとは、札幌座の俳優の宮田圭子さん。
7日(土)16時の回の終演後、僕とトークを行います。
宮田さんは以前、カムパネルラを演じたことがあります。
立川公演まで、あと9日。
札幌公演まで、あと16日。
銀河ステーションにぜひお集まりください。
『想稿・銀河鉄道の夜』の初心
2015.10.18 Sunday
さて、知ってる方もいると思いますが、
今度の『想稿・銀河鉄道の夜』は再演で、昨年の4月に初演されたものです。
ついこの間のことのようですが、もう1年半も前なんですね。
当時のことをご存知のない方のために説明しますと、
『想稿・銀河鉄道の夜』はOrtがこまばアゴラ劇場を会場に、
劇団単独で行った宮沢賢治をテーマにした演劇祭
『ケンゲキ! 宮沢賢治と演劇』 のメイン演目でした。
この企画は、Ort(旧Ort-d.d)のそれまでの宮沢賢治演目を総決算するもので、
11日間で全6演目12公演をすべて僕の構成・演出で上演しました。
まあ、いわゆる演劇界でいうところのバカ企画というやつですね。
6演目の内訳は『想稿 銀河鉄道の夜』のほかに、
リーディング公演として、青年団の平田オリザさんによる『銀河鉄道の夜』、
キャラメルボックスの成井豊さんにによる『光速銀河鉄道の夜 賢治島探検記より』、
飛ぶ劇場の泊篤志さんによる『睡稿、銀河鉄道の夜』の3本。
それから生演奏と俳優の声を組み合わせた二つの音楽朗読劇、
『朗読と歌の会 ポランの広場』と『宮沢賢治のイーハトーボ』の2本でした。
なぜ、こんなことをやろうと思ったのか、
あらためて1年半前に書いたブログを読み直しましたが、
今の気持ちとまったく何も変わってませんでした。
まさに「初心忘れるべからず」でここに転載します。
文中、「3年前」とあるのは「4年半前」と脳内変換してください。
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【以下、2014年3月21日のブログより】
そこで今日はまずなぜ宮沢賢治をやろうと思ったのかをお話したいと思います。
少し重たい話になりますが、正直なところから始めます。
3年前の3.11以後、自分のなかでいちばん変わったことは、
死への恐怖に蝕まれたことです。
もちろん普段はそんなことを意識せずに生活していますが、
ふとしたおりに生じる自分自身の傾向を見つめると、
死への恐怖が意識下に刻印されたと感じます。
でも、こんなふうに死への恐怖とともに生きるのが、
人間の本来の生のあり方なのでしょうね。
私たちの文明は私たちの生活環境から死を遠ざけることに成功してきました。
人類史上、こんなことは稀です。
病い、飢え、戦争、災害など、死への恐怖とどう付き合うかの実験を
人類は物心両面で重ねてきました。
それが科学であり宗教であり芸術でした。
そして僕は、演劇は科学であり宗教であり芸術であると考えています。
今の日本のある傾向を見ていると、
自分の死がおそろしいから他者の死を望む、
そう感じることが多々あります。
自分が死の当事者にならないために
他者を差し出す、
まつりあげる、
あるいは…叩きつぶす。
演劇に生きる者として、
その傾向にはなんとしても歯止めをかけなければならない、
いえ、かけたいと強く思っています。
そのためには「死への恐怖とともに生きる術」を考え、
そして伝えなければいけないと決意しています。
死への恐怖を反転させることで命を愛するようになる、
こんなこと、昔から「メメントモリ(死を想え)」と
言われてきたことではありますが、
それが頭ではわかっても体感したことは
3年前までありませんでした。 鈍感を恥じます。
死への恐怖とともに生きるためには死を知らなければなりません。
死を知るには死の当事者から話を聞くことです。
だから人は死者の声を聞きたいと願います。
死とは何か、そのほんとうのことが知りたい。
それはつまり生きるとは何か、そのほんとうのことが知りたい。
宮沢賢治はそのことを科学、宗教、芸術から強く考えた人だと思います。
そして多くの劇作家たちもまたそこを目指してきたと思います。
「宮沢賢治と演劇」をテーマにしたのはそのためです。
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【現在に戻ります】
初心、スタート地点は前述したとおり、今も変わってません。
しかし、1年半たった今、そこから少し進んだところもあります。
死への恐怖、死への悲しみの先にあったものは、
死なせてしまったことへの悔いでした。
僕は今、いろいろ悔やんでいます。
「怒り」でも「悲しみ」でも「不安」でも「恐怖」でもなく、
この「悔い」が今の自分の原動力なのかもしれません。
そして、もしかしたら宮沢賢治もまた
この「悔い」とともにあった人かもしれないと思うのです。
銀河鉄道の仲間たち
2015.10.18 Sunday
最近はずっと朝早い日々が続いています。
その理由の一つは小学校でのワークショップ。
たちかわ創造舎近くの小学校が今年は学芸会をやるということで、
全学年のワークショップを僕と、劇団員の平と、
助っ人の小林至さんで担当しているのです。
その小学生たちがたちかわ創造舎に遊びに来てくれたり、
道ですれ違ったら声をかけてきてくれたり、
なんかどんどん地元感が高まってきています。
実は、たちかわ創造舎での『想稿・銀河鉄道の夜』は、
小中学生無料です。もう一度、言います。小中学生無料です!
あの子達、ぜひ観に来てくれないかなあ。
ちなみに立川市民ならどの世代でも500円です。ワンコイン!
つまりお母さんと小学生二人で来ても500円。
地元の方たちに初のOrtお目見えということで、
思い切った値段設定にしてみました。
もちろん都心からのお客様もお待ちしています。
交通費はちょっとかかりますが、その分、チケット代は1000円です。
小中学生は住んでいる地域に関わらず無料です。
稽古は順調に進んでいます。
出演者の二人がこんなことをtwitterでつぶやいていました。
まずは舘智子。
いやー、今日の稽古面白かったなー。一昨日の稽古で、再演だからこそ今の倉迫さんがこうしたい。という演出があって、それが全て宿題になってたんだけど、今日の稽古で皆それぞれ色んな所に向かっていて。それがまた、すごくはっきりしててて。本当にいい役者さんだなぁ、皆さん!とすげー思った。
そして小林至。
ほんとすげーと思った、付いて行くのが精一杯、くやしい、くやしい、負けないぞ!
いい年して、みんな、成長欲求が強いというか、貪欲というか。
こういう俳優たちと一緒に作品を創れるのは演出家冥利につきます。
考えてみたら全員が同じメンバーの再演って、かなりぜいたくなことですよね。
てことで、愛すべき仲間たちを昨年の稽古写真から。
そしてこっちは本番中。
こんなメンバーがいる銀河ステーションにぜひ皆さんも集まってください。
廃校の元・音楽室を劇場に
2015.10.15 Thursday
ご無沙汰しております、主宰の倉迫です。
9月26日に無事、たちかわ創造舎オープンセレモニーが行われ、
27日の一般公開デーには1300名のお客様にお越しいただきました。
その模様はぜひ、たちかわ創造舎のfacebookページをご覧ください。
Theatre Ort は、たちかわ創造舎の4階を拠点に活動していくのですが、
気づけば、たちかわ創造舎での初の演劇公演『想稿・銀河鉄道の夜』が
いよいよ二週間後に近づいてきました。
昨日、美術スタッフ、照明スタッフが会場となる元・音楽室のドレミホールを下見しました。
仮道具を置いたり、客席の作り方を考えたりして、プランを詰めました。
ちなみに今、ドレミホールはこんな感じです。
素朴な入口。
仮の道具と椅子を置いてみた。
反対側から撮るとこんな感じ。
まだまだ普通の教室という感じですよね。
しかし、これが演劇のスタッフの魔術によって、
かつて音楽室だった場所が二日限りのステキな劇場として生まれ変わるわけです。
僕は劇場じゃない場所で演劇を上演することを好んでしてきた演出家なので、
今回のシチュエーションにもワクワクしています。
元・音楽室という空間がどう劇場空間に変貌するのか、作品の内容とともにご期待ください。
客席は各回60名となっています。公演が近づくと駆け込みで予約が増えるので、
確実にご覧になりたい方は、今のうちにご予約ください。特に初日をご希望の方、お急ぎください。
一般1000円、立川市民500円、小中学生無料というオープン記念の特別価格です。
演劇をまだ観たことないという方、Ortを観たことがないという方、
ぜひこの機会をご利用ください。
皆様と特別な「劇場」でお会いできることを楽しみにしています。
予約、詳細はwebサイトをご確認ください。
http://tachikawa-sozosha.jp/events/ginga
そして、本番が近づいてきましたので、
このブログの毎日更新を今回も行いたいと思います。
さあ、自分で自分の首を絞めたぞ!